OECD –パリ、2022年1月19日

OECDは本日、開発援助の課税に関する透明性を向上させる新しいデジタルコンテンツを立ち上げました。これは、政府開発援助（ODA）によって資金提供された財・サービスに対する免税を主張するために援助国が採用したアプローチを提示しています。

援助の税務上の取り扱い：透明性に関するデジタルコンテンツ(Tax Treatment of Aid: Digital Transparency Hub)では、OECD開発援助委員会（DAC）加盟12か国から提供されたODAに対する課税方針を比較しています。これらの国々は、海外援助への税務アプローチの詳細を自主的に提供しました。12か国は次の通りです。オーストラリア、欧州委員会、フランス、ギリシャ、ハンガリー、日本、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペイン、スウェーデン、米国。このデジタルコンテンツにより、援助国、被援助国双方が、2020年には総額1,610億米ドルに上ったODAの税務状況を明確にすることができます。 

ODAとその課税方法の双方が開発途上国の経済的、社会的幸福の鍵を握っており、これらの国に進行中の新型コロナウイルス危機に取り組むために不可欠な資源を提供します。シンクタンクのフェルディ(Ferdi)の推計によると、プロジェクト援助に対する免税がGDPの2〜3％に相当する開発途上国もあります。 

このデジタルコンテンツに参加している12か国が拠出しているODAは、2020年の二国間ODA総額の50％以上を占めています。ODAの課税措置は多くの援助国が積極的に取り組んでいる問題で、4か国では最近開発援助政策の見直しが行われ、また3か国では見直しが計画、または現在行われています。

今週行われたDACの上級レベル会議で、加盟国は、持続可能な開発のための資金調達に対する新型コロナウイルスの永続的な影響に鑑みて、国内の資源動員を最優先事項として強化する手段について議論を行いました。国内歳入は持続可能な開発のための最大の資金源ですが、多くの開発途上国は十分な税収を得るのに苦慮しています。アフリカでは、2019年の税収の対GDP比平均は16.6％であり、OECD諸国の比率（33.8％）の半分未満でした。新型コロナウイルス危機の発生以後、公的援助者からの海外援助は2020年に史上最高に達し、そのうちODAが後発開発途上国の外部資金の3分の2以上を占めました。 

パスカル・サンタマンOECD租税政策・税務行政センター局長は、次のように述べています。「海外直接投資であろうと開発援助の提供であろうと、免税は透明で説明できるものでなければならない。このデジタルコンテンツは、援助国、被援助国双方の政策検討を支援し、透明性をさらに高めるよう奨励する有益なツールとなるだろう」 

ホルヘ・モレイラ・ダ・シルバOECD開発協力局局長は、次のように述べました。「援助国は、政策の一貫性を改善し、アディスアベバ行動計画で求められているあらゆる資源の有効性を最大化するための取り組みを引き続き強化している。この透明性に関する新しいデジタルコンテンツは、援助と課税を強化するための総合政策と実践に不可欠な資源を提供している」 

このデジタルコンテンツは定期的に更新され、他の援助国にも参加を要請しています。これは、国連を含むOECDのパートナー諸国が、税に関する協働プラットフォーム（Platform for Collaboration on Tax）で行っている作業を補完しています。国連は、2021年4月に政府間援助プロジェクトの課税措置に関するガイドラインを発表しました。 

デジタルコンテンツ、Tax Treatment of Aid: Digital Transparency Hubと国別プロファイルは、下記ウェブサイトです：https://www.oecd.org/tax/tax-treatment-official-development-assistance/

報道関係者のお問い合わせは、下記までお寄せください。
Jorge Moreira da Silva, Director of the OECD Development Co-operation Directorate
Pascal Saint-Amans, Director of the OECD Centre for Tax Policy and Administration (+33 1 45 24 91 08)
OECD Media Office (+33 1 4524 9700).

 

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